ラクトバチルス・ガセリLactobacillus gasseri)は乳酸菌の一種。グラム陽性桿菌のラクトバチルス属ガセリ菌。ガッセリ菌とも表される。

酸素の有無にかかわらず育つ通性嫌気性菌。ガゼリ菌は膣内細菌叢の一部である。そのゲノムは配列決定されている。ガゼリ菌は、健康な女性の生殖器下部の正常な常在菌である。ガゼリ菌は、抗生物質であるラクトシリンも産生する。ガゼリ菌は、バクテリオシンであるgassericin Aを生産する。

なお、ガセリ菌という名で販売されている製品の多くは、実際には本種ではなく近縁なラクトバチルス・パラガッセリであることが研究者グループによって提唱されている。L. パラガッセリは2018年にANIに基づきガセリ菌から分割されたもので、16S rRNAなど簡便な方法では区別が付けづらいため、本項に記述されている内容の一部は、本種ではなくL. パラガッセリの物である可能性がある。L ガセリは、L. パラガッセリの一部の株が備えている抗菌活性を持つガセリシンTや、グラム陰性菌のオートインデューサーを妨害するN-アシル-L-ホモセリンラクトン分解酵素を産生する能力を持たない。

利用

ガゼリ菌は、ヨーグルトの製造に利用されている。また、ヒトにラクトバチルスガセリPA-3を含むヨーグルトを連日摂取させたところ血清尿酸値の低下が認められた。

ガセリ菌は、機能性表示食品にも利用されている。機能性は、「内臓脂肪を減らす」「心理的なストレスを和らげ、睡眠の質(眠りの深さ)を高めるのに役立つ」「腸内環境の改善に役立つ」などである。

歴史的経緯

以前は、ラクトバチルス・アシドフィルスLactobacillus acidophilus)と同じ扱いをされていたが、1980年に新たに分類され、ラクトバチルス・ガセリLactobacillus gasseri)として扱われるようになった。2018年にはラクトバチルス・ガセリから更にラクトバチルス・パラガッセリLactobacillus paragasseri)に分割することが提唱されている。

脚注

関連項目

  • アシドフィルス菌
  • ガセリ菌SP株

参考文献

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  • Maedler, Kathrin; Kang, Ji-Hee; Yun, Sung-Il; Park, Mi-Hee; Park, Jun-Hong; Jeong, So-Young; Park, Han-Oh (2013). “Anti-Obesity Effect of Lactobacillus gasseri BNR17 in High-Sucrose Diet-Induced Obese Mice”. PLoS ONE 8 (1): e54617. doi:10.1371/journal.pone.0054617. ISSN 1932-6203. PMC 3559800. PMID 23382926. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3559800/. 
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