レンツトレハロース(Lentztrehalose)は、Lentzea属放線菌より発見されたトレハロース類縁体化合物である。A, B, Cの類縁体が報告されており、AとBについては有機合成による合成法も報告されている。非還元性二糖であるトレハロースは、安定剤や保湿剤として食品を始め様々な製品に用いられており、神経変性疾患や肝疾患などの治療効果もあるとされ医薬品としての開発も検討されている。一方で、トレハロースは微生物から人まで多くの生物種で発現の見られる分解酵素トレハラーゼにより分解されるため、医薬品としての効果は限定されるものと思われ、含有製品の腐敗、劣化の原因になることも考えられる。レンツトレハロース類は、哺乳類トレハラーゼや各種微生物にほとんど分解されないため、生物学的安定性の高い、トレハロースの代用品として各分野で利用できるものと考えられる。
脚注


